『骨が溶けている』と言われた歯周病、再生療法を検討できる歯はどれか - 広尾麻布歯科
診療メニュー
pc

24時間
WEB予約

受付時間

平日

9:30〜19:30

土曜・祝日

9:30〜18:00

診療時間
アクセス

pc

LINE問診票

親知らず専門外来

親知らず専門外来

噛む力の改善

噛む力の改善

TOP
pc

24時間WEB予約

pc

お電話

アクセス

診療時間アクセス

LINE問診票

LINE問診票

       

コラム

Column

2026.08.26

『骨が溶けている』と言われた歯周病、再生療法を検討できる歯はどれか

 

 

目次

「骨が溶けている」と言われ、抜くしかないと諦めていませんか

 

健診で告げられた一言が頭から離れない

「歯を支える骨が溶けている」という説明は、痛みもぐらつきも感じていない段階で告げられることが少なくありません。歯周病 骨が溶けるという変化は、歯肉の内側で静かに進むため、自覚として現れにくい性質があります。だからこそ、突然の指摘が現実味を持たず、頭の中に引っかかり続けるのだと思われます。

仕事の合間に検索を繰り返し、「抜歯」という言葉ばかりが目に入る。そんな状態で不安が増していく方は多いのではないでしょうか。ただ、骨が減っているという事実だけでは、その歯を残せるかどうかはまだ決まりません。判断を左右するのは、骨がどこまで減ったかに加えて、どのような形で減っているかという点です。

この「形」の違いが、治療の選択肢を分ける最初の分岐点になります。同じ「骨が溶けている」という表現でも、中身は歯ごとに大きく異なるという見方ができます。

 

抜歯を勧められても、まだ判断材料が足りない

抜歯という方針が示された段階で、判断に必要な情報がすべて揃っているとは限りません。歯を残す治療の可否を検討するには、1本ごとの歯周ポケットの深さ、歯の揺れ具合、骨欠損 形態、歯根の状態、根の分かれ目の状態といった複数の情報を突き合わせる必要があります。パノラマ写真1枚と目視だけでは、この情報量には届きません。

特に見落とされやすいのが、骨の減り方が歯の周囲で均一ではないという点です。同じ歯でも、内側だけ深く落ち込んでいる場合と、周囲がなだらかに下がっている場合では、その後の見通しが変わってきます。

「抜くしかない」と言われた歯が、詳細な検査を経て保存の対象として検討されることもあります。逆に、精密な評価によって早めに抜歯へ切り替えたほうが周囲の歯を守れると判断される場合もあり、いずれにしても情報量が判断の質を決めることになります。

 

再生療法を調べ始めた方が最初に確認すべきこと

再生療法という言葉に行き着いた方が最初に確認すべきなのは、治療法の詳細よりも「自分の骨欠損がその適応に当てはまる形かどうか」です。重度歯周病では歯周組織再生療法という選択肢が検討される場合がありますが、これはすべての骨欠損に一律に用いられるものではありません。骨が周囲に壁として残り、そこが窪みのように落ち込んでいる形のほうが、条件として検討しやすいとされています。

つまり、順序としては「治療法を選ぶ」より前に「自分の骨の形を知る」ことが先に来ます。そのために行われるのが歯周精密検査と、レントゲンや歯科用CTによる骨の立体的な把握です。

広尾駅周辺で受診先を検討している方も、まずはこの検査結果を手元に持つことで、抜歯か保存かという議論に自分の判断で参加できるようになります。数値と画像という共通の根拠があれば、説明を受けたときの納得感も変わってくるはずです。

 

 

 

歯周病で骨が溶けるとき、歯の周りで起きていること

 

歯を支える歯槽骨という土台の役割

歯は骨に直接くっついているのではなく、歯槽骨(歯を支える骨)というブロックに、歯根膜という薄いクッション組織を介して埋まっています。この構造があるため、硬いものを噛んだときの力が分散され、歯や顎に過度な負担がかからずに済んでいます。

歯槽骨は歯根の長さに沿って囲むように存在し、歯根のどこまで骨が接しているかで、その歯が受け止められる力の大きさが変わります。土台が歯根の3分の2を包んでいる歯と、3分の1しか残っていない歯では、同じ噛み方でも歯にかかるストレスがまったく違ってきます。

健診で「骨が溶けている」と言われたとき、実際に評価されているのはこの支えの残量です。つまり問題は歯そのものの硬さではなく、歯を固定している土台がどれだけ減ったかという点にあります。

 

細菌の炎症が骨を吸収させる仕組み

歯周病で骨が溶ける直接の原因は、細菌が骨を削り取るからではなく、細菌に反応した体の側の炎症反応です。歯と歯肉のすき間にたまったプラークの中の歯周病菌が毒素を出すと、体は免疫細胞を集めて防御しようとします。

このとき放出される炎症性の物質が、骨を壊す働きを持つ細胞を活性化させます。本来は骨を作る働きと壊す働きが釣り合っているのですが、炎症が慢性化するとバランスが壊す側に傾き、歯根の周りの骨が徐々に減っていきます。歯周ポケットが深くなるのは、この骨の減少と歯肉の位置の変化が同時に起こるためです。

痛みを伴わないまま進む点が、この過程の厄介なところと言えるでしょう。歯磨きのときの出血や、朝の口の粘つきといった弱いサインしか出ないため、忙しい日々のなかで見送ってしまう方が少なくありません。

 

溶けた骨が自然には戻らない理由

一度失われた歯槽骨は、炎症を抑えただけでは元の高さまで自然に回復することはほとんどありません。骨折した骨がつながるのは、周囲に血液の供給と骨を作る細胞の足場が確保されるからですが、歯周病で空いた骨の欠損部には、歯肉の組織が先に入り込んでしまいます。

歯肉の細胞は骨や歯根膜の細胞よりも速く増える性質があるため、治癒の場所取り競争で先を取られると、そこには骨ではなく軟らかい組織が埋まった状態で治まります。炎症は落ち着いても、支えの高さは戻らないまま安定するという結果になりがちです。

この「先に歯肉が入る」という現象をどう制御するかが、歯周組織再生療法という考え方の出発点になります。骨欠損の形によって足場を確保しやすい歯とそうでない歯があり、そこが検討できる歯を見分ける分かれ目になっていきます。

 

 

 

 

骨欠損の形が、歯を残せるかどうかを分ける

 

垂直性と水平性で異なる骨の減り方

同じ「骨が溶けている」という説明でも、減り方の形によって残せる可能性は大きく変わります。歯周病による骨欠損 形態は、大きく垂直性と水平性の2つに分けられます。垂直性は特定の歯の根に沿って局所的にえぐれるように減るタイプで、周囲にまだ骨が残っているぶん、回復を目指す処置を検討しやすい形です。

反対に水平性は、複数の歯にまたがって骨の高さが一様に下がっていくタイプを指します。土台全体が低くなるため、失われた高さを取り戻す処置の適応にはなりにくいとされています。

レントゲンで「黒く抜けて見える」という同じ印象でも、片方は局所的なくぼみ、もう片方は全体の地盤沈下に近い状態です。この違いを把握しないまま抜歯の可否だけを聞いても、判断材料としては不十分だと言えるでしょう。

 

壁がいくつ残っているかで変わる予後

垂直性の骨欠損では、くぼみを囲む骨の壁が何面残っているかが予後を左右します。歯の根を中心に、頬側・舌側・隣の歯側といった方向の骨が残っていれば、それだけ欠損部が器のように囲まれた状態になります。壁が3面残る形は、失われた組織の回復を目指す処置において条件が整いやすい形態のひとつとされています。

一方、壁がほとんど失われ、皿のように浅く広がった形では、治癒に必要な空間を保ちにくくなります。同じ深さ7ミリのポケットでも、壁の残り方次第で治療方針がまったく変わってくるという点は、意外と知られていません。

「深さの数字だけを聞かされて不安になった」という方も多いのではないでしょうか。実際の判断は、深さに加えて欠損の幅・角度・壁の数を組み合わせて行われます。この立体的な情報は、歯周精密検査とレントゲン、必要に応じた歯科用CTでの確認によって見えてきます。

 

奥歯の根の分かれ目に及んだ骨欠損

奥歯で最も評価が難しいのが、根が枝分かれする部分まで骨の吸収が届いたケースです。この部分は根分岐部と呼ばれ、複数の根を持つ大臼歯に特有の構造になります。分岐部は形が入り組んでおり、器具もブラシも届きにくいため、炎症が残りやすい場所です。

骨の吸収がどこまで入り込んでいるかは、器具がわずかに入る程度か、頬側から舌側へ貫通しているかといった段階で評価されます。貫通している状態では、歯を残す治療の難易度が上がり、根の一部を分割する方法や他の選択肢が検討されることもあります。

営業で人と話す機会が多く、奥歯を失うことに抵抗を感じる方にとって、この部位の診断結果は治療計画を左右する重要な情報になります。分岐部の状態は平面のレントゲンだけでは重なって写るため、立体的な画像診断を併用して確認する意義があります。

 

 

 

 

歯科医が抜歯と保存を判断するときの基準

 

動揺度と残っている支持骨の割合

保存を検討できるかどうかを左右する第一の指標は、歯のぐらつきの程度と、歯根のどこまで骨が残っているかという2点です。歯科では歯の揺れ方を段階的に評価し、前後方向のわずかな動きに留まる状態と、左右や上下にまで動く状態を区別して記録します。垂直方向、つまり歯が沈み込むような動きが出ている場合は、支持組織の減少が相当進んでいると判断されることが多いとされています。

もう一つの軸が支持骨の割合です。歯根の長さに対して、健全な骨がどのくらいの高さまで残っているかを見ます。歯根の半分以上に骨の裏付けがあれば、炎症を抑える治療によって揺れが落ち着く可能性が残されています。

「ぐらぐらしているから、もう抜くしかない」と受け取ってしまう方は少なくありません。炎症による一時的な揺れと、骨の喪失による構造的な揺れは原因が異なり、前者は炎症が引くと揺れが軽減することも珍しくないという点が、判断を分ける分かれ目になります。

 

歯根の形態・破折・根管の状態

骨の量が十分でも、歯根そのものに問題があると保存が難しくなります。特に判断を大きく左右するのが、歯根が縦方向に割れている「歯根破折」です。歯根に縦の亀裂が走ると、その隙間が細菌の通り道となり、外科的に清掃しても炎症が再燃しやすい状態が続きます。

歯根の形も無関係ではありません。歯根の表面に細い溝が走っている場合や、根が細く短い場合は、清掃器具が届きにくく、汚れが残りやすい傾向があります。過去に神経の治療を受けた歯では、根の内側の感染が残っていないかも併せて確認します。歯周ポケットからの感染と、根の先からの感染が同時に起きているケースでは、どちらを先に処置するかで見通しが変わってきます。

当院ではこうした歯の内部構造の把握に歯科用CTを用いた診断を行っており、レントゲンだけでは重なって見えにくい部分の情報を補っています。歯を残す治療の可否は、外から見える歯肉の状態だけでは判断しきれないという点をご理解いただきたい部分です。

 

全身疾患・服薬・喫煙が与える影響

歯そのものの条件が整っていても、全身の状態によって外科処置を見送る、あるいは時期をずらす判断がなされることがあります。血液をサラサラにする薬を服用中の方や、手術を行うことが難しい持病をお持ちの方については、当院でも歯周外科治療の適用外となる場合があるとお伝えしています。糖尿病の血糖コントロールが不安定な状態では、傷の治りや感染への抵抗力に影響が及ぶことも知られています。

喫煙習慣は歯周組織の血流を低下させ、治療後の歯肉の回復に不利に働くとされています。仕事上の付き合いで喫煙が続いている方にとっては耳の痛い話かもしれませんが、外科処置の結果に関わる要素として、治療計画の段階で必ず話題に上がる項目です。

加えて、毎日の歯みがきで汚れをどこまで落とせているかも判断材料になります。当院では磨き残しの検査結果が一定水準まで下がらない場合、外科処置の前にセルフケアの改善を優先する方針をとっています。手術は清掃しやすい環境をつくる処置であり、その環境を維持する力が伴わなければ結果が長続きしないという理由からです。

 

 

 

 

歯周組織再生療法を検討できる歯、難しい歯

 

再生を目指す治療の基本的な考え方

歯周組織再生療法は、失われた歯槽骨や歯根膜(歯と骨をつなぐ繊維状の組織)が回復するための場所と時間を確保する治療です。歯周病で骨が溶けると、その空間には歯肉の組織が先に入り込んでしまい、骨や歯根膜が戻る余地がなくなります。この「場所の取り合い」を制御し、骨側の組織が育つ側に条件を傾けるという発想が土台になっています。

前提として、歯根の表面にこびりついた細菌の膜と歯石を徹底的に取り除くことが欠かせません。汚染された根面のままでは、どのような材料を用いても組織は付着しないためです。重度歯周病では歯周組織再生療法という選択肢が検討される場合がありますが、それは炎症を抑える治療をやり切った歯に対して初めて土俵に上がる話だと考えてください。

「骨を足せば元通りになる」というイメージを持って来院される方もいらっしゃいますが、実際には体の治癒力を引き出す環境づくりであり、結果には個人差が出ます。

 

適応が期待しやすい骨欠損の条件

再生を目指しやすいのは、骨欠損が縦方向に深く、周囲に骨の壁が多く残っているタイプです。骨欠損 形態の評価では、残存する壁が3壁性に近いほど、空間が骨に囲まれて保たれるため、血液のかたまりが安定し、組織が育つ足場になりやすいとされています。逆に、周囲一帯の骨が水平に低くなった状態では、囲いがないため再生を狙う余地が限られます。

加えて、歯自体のぐらつきが大きすぎないこと、根の形が清掃しにくい複雑さでないこと、歯の神経や根の先に感染がないことも判断材料になります。喫煙習慣がある場合は歯肉の血流が低下し、治癒が思うように進まないことが知られており、術前の禁煙が条件として求められる場面もあります。

同じ「骨が溶けている」という説明でも、1本ごとに条件は異なります。前歯は再生の対象になり、隣の歯は別の方針、という結論になることも珍しくありません。

 

再生より他の方法が向くケース

骨の吸収が根の先端付近まで及び、支えがほとんど残っていない歯では、再生を試みるより歯の周囲を清掃しやすい形に整える方針が選ばれることがあります。当院では歯周外科治療として歯肉剥離掻爬術(フラップ手術)や歯肉切除術に対応しており、深いポケットを浅くして日々の清掃が届く環境をつくることも、歯を残す治療の現実的な手段の一つです。

歯根が縦に割れている場合や、奥歯で根の分かれ目が完全に貫通している場合は、再生の適応から外れる判断になりやすい傾向があります。この場合は、抜歯後の噛み合わせ回復まで含めて計画を立てた方が、結果として他の歯を守れることもあります。

「抜くか残すか」の二択で悩んでいる方ほど、実際にはその中間に複数の選択肢が存在することを知らないまま決断を迫られています。どの道を選ぶにせよ、判断の根拠は精密な検査データにあります。

 

 

 

 

歯周精密検査とレントゲン診断で何が分かるか

 

歯周病治療を続けるための医院選びで見るべきポイントの解説画像

一歯ずつ測るポケット検査の意味

歯周精密検査で分かるのは、「どの歯の、どの面が、どれだけ支えを失っているか」という一点です。1本の歯の周囲を6か所измеり分けることで、同じ歯でも頬側は浅く舌側だけが深いといった偏りが見えてきます。この偏りこそが、骨の減り方が水平か垂直かを推測する最初の手がかりになります。

測定時には、深さだけでなく出血の有無、膿の排出、歯の揺れ具合も同時に記録します。プローブを入れて出血する部位は、歯周ポケットの内側で炎症が続いているサインと考えられます。数値が同じ6ミリでも、出血する6ミリと出血しない6ミリでは、治療の緊急度も見通しも変わってきます。

「チクチク刺されるだけの検査」と感じていた方も多いのではないでしょうか。実際にはこの記録が、後から再生を目指す治療の適応を判断する際の基礎データとなり、治療前後の比較にも使われます。

 

レントゲンで読み取る骨の輪郭

レントゲンは、歯槽骨の「高さの残り具合」と「輪郭の形」を確認するための検査です。健康な状態では、歯と歯の間の骨の頂上は歯の付け根から2ミリ程度下に、比較的まっすぐな線として写ります。この線が斜めに落ち込んでいたり、くさび形の暗い影として抜けていたりする部分が、垂直性の骨欠損を疑う所見になります。

歯の根の長さに対して骨がどこまで残っているかを見ることで、支持力の残存量もおおまかに把握できます。奥歯では、根の分かれ目の部分に透けた影があるかどうかも重要な確認点です。歯石が根の表面にこびりついている場合、それ自体が影として写ることもあります。

ただし、レントゲンは立体を平面に投影した画像です。頬側と舌側の骨が重なって写るため、片側だけ大きく失われていても手前の骨に隠れて見えにくいという限界があります。

 

歯科用CTで立体的に確認する骨欠損

骨欠損の形態を三次元で把握したい場面では、歯科用CTによる撮影が判断材料になります。当院では歯科用CTを用いた診断を行っており、平面のレントゲンでは重なって見えなかった頬側・舌側の骨壁の残存状況を、断面ごとに確認することが可能です。壁が何枚残っているかは再生を目指す治療の適応を左右するため、この情報の有無は方針決定に直結します。

奥歯の根の分かれ目についても、どの方向からどこまで骨が失われているかを立体的に追うことができます。歯根の湾曲や、隣の歯との距離、上顎洞との位置関係といった外科処置の計画に関わる要素も同時に読み取れます。

抜歯を勧められた歯であっても、こうした精密な診査を経ずに結論だけを受け取っている場合、判断材料が揃っていない可能性があります。まずは自分の骨がどう減っているのかを画像で見ながら説明を受けることで、残す方向で検討できる歯かどうかが具体的に見えてきます。

 

 

 

 

歯を残す治療は、外科の前後で決まる

 

炎症を抑える初期治療が土台になる

外科処置に進む前段階の初期治療が、歯を残せるかどうかの分かれ目になります。歯ぐきが赤く腫れ、出血が続いている状態のまま手術を行っても、傷口の治りが安定しにくく、期待した結果につながりにくいためです。まずは歯石やプラークを除去し、歯ぐきの炎症を落ち着かせる工程から始まります。

この段階で重視されるのが、患者さん自身の毎日の清掃精度です。磨き残しの割合を検査で数値化し、一定の水準まで下がってから外科的な処置を検討する流れが一般的とされています。仕事が忙しく歯みがきに時間をかけられないという方も多いのですが、ここを整えずに手術だけ先行させても、細菌が残り続ける環境は変わりません。

初期治療を進めるなかで歯ぐきが引き締まり、深かったポケットが浅くなる歯も出てきます。その結果、当初は外科が必要と考えられていた部位が経過観察に切り替わることもあり、治療範囲そのものが変わってくる点は知っておきたいところです。

 

フラップ手術で行う根面の徹底清掃

歯肉剥離掻爬術は、歯ぐきを一時的に開いて歯根の表面と骨の状態を直接目で見ながら清掃する処置です。深いポケットの底や歯根の複雑な凹凸に付着した歯石は、器具を差し込むだけの処置では取り残しが生じやすく、視野を確保することで清掃の確実性が高まります。当院では歯周外科治療として、歯肉剥離掻爬術のほか歯周ポケット掻爬術や歯肉切除術に対応しています。

手術中には、骨がどの方向にどれだけ失われているかを実際の形として確認できます。事前のレントゲンや歯周精密検査で想定した骨欠損 形態と照らし合わせ、その場で処置内容を判断していく場面もあります。骨壁が残る垂直性の欠損であれば、歯周組織再生療法を組み合わせる選択肢が検討される場合があります。

局所麻酔下で行うため手術中の痛みは抑えられますが、術後は歯ぐきが引き締まることで歯が長く見えたり、一時的に知覚過敏が出たりする変化が起こり得ます。こうした経過も含めて事前に理解しておくと、術後の見た目の変化に戸惑わずに済みます。

 

術後のメインテナンスが結果を左右する

手術で得られた改善を保てるかどうかは、その後の管理体制にかかっています。歯周病は細菌による感染が原因であるため、清掃状態が元に戻れば、同じ部位で再び骨の吸収が進む可能性があります。手術は「治療の終わり」ではなく、維持期の出発点という見方ができます。

術後は、ポケットの深さや出血の有無を定期的に測り直しながら、歯石の再付着を除去していきます。当院では担当衛生士制度を採用しており、同じ担当者が同じ部位の数値の推移を追うことで、わずかな変化にも気づきやすい体制を整えています。喫煙習慣がある場合は歯ぐきの血流が低下し、治りに影響することが知られています。

営業職などで会食や出張が多い方は、通院間隔が空きがちになります。間隔が延びるほど再発の発見が遅れるため、次回の予約を診療室で決めてから帰るという運用が、結果として歯を残す治療の継続につながります。

 

 

 

 

「本当に自分の歯は残せる?」──よくある疑問への回答

 

骨が溶けた歯はどこまで戻せる?

歯周病で骨が溶けた部分が、治療によって元の高さまで完全に戻ると考えるのは現実的ではありません。歯周組織再生療法という選択肢が検討される場合でも、回復が期待できる範囲は骨欠損の形や深さ、残っている骨の壁の数によって大きく変わります。深く垂直に落ち込んだ欠損では一定の改善が見込めることがある一方、広く水平に減った骨では増える量は限られるとされています。

「どのくらい戻るのか」という数字を先に知りたくなる気持ちはよく分かります。ただ、同じレントゲン所見に見えても、実際に歯肉を開けて確認すると骨の壁の残り方が異なることは珍しくありません。事前の診断はあくまで見込みであり、確定的な数値をお約束できる性質のものではないと考えられます。

治療の主目的は、骨を増やすこと自体よりも、進行を止めて歯の支えを保ち、噛める状態を長く維持することにあります。骨の量が劇的に変わらなくても、歯周ポケットが浅くなり炎症が収まれば、動揺が落ち着いて食事のしづらさが軽減するという変化が現れることがあります。

 

治療期間と通院回数が読めない不安

重度歯周病の治療期間が読みにくいのは、初期治療への反応を見てから外科処置の要否と範囲を判断するためです。最初に検査と診断を行い、歯石除去やブラッシングの改善で炎症がどこまで引くかを確認します。この段階での反応が良ければ外科を回避できる部位もあり、逆に深いポケットが残った部位に対して次の手を検討していく流れとなります。

営業職で外回りが多く、決まった曜日に通えるか自信がないという声は少なくありません。現実的な対処としては、治療の山場となる時期と、間隔が空く維持期を分けて考えることです。初期治療から外科処置までは比較的短い間隔での来院が続きますが、その後の管理期に入れば来院頻度は落ち着いていきます。

当院では初診時にレントゲン撮影、口腔内写真、歯周病検査などを行い、口内の全体像を把握したうえで治療計画をご説明しています。何回でどこまで進むのかという見通しを共有できれば、仕事の予定と照らし合わせて通院の段取りを組み立てやすくなります。

 

手術を受けられない条件はあるのか

歯周外科治療には適応外となる条件があり、歯の状態が良くても手術に進めないことがあります。当院では、血液をサラサラにする薬を服用中の方、手術が難しい持病をお持ちの方、日々の口腔ケアが難しい方、磨き残しの検査結果が20%以下にならない方については、歯周外科治療の適用外となる場合があるとお伝えしています。

意外に感じられるのが、最後のプラークコントロールに関する条件でしょう。外科処置で深部の汚れを取り除いても、日常の清掃状態が整っていなければ同じ環境が再びできあがります。だからこそ、手術前にセルフケアの精度を上げる期間が設けられるという考え方です。

服薬については自己判断で中断せず、内科の主治医と連携しながら方針を決めていきます。喫煙習慣がある場合は歯周組織の血流が低下し、傷の治り方に影響することが知られており、術前後の対応を含めて事前に相談しておくと判断の材料が増えます。

 

 

 

 

セカンドオピニオンで確認したい診療体制のポイント

 

歯を残す治療か、抜歯かを決める前にすべきことの解説画像

精密検査と診断結果の説明の丁寧さ

別の歯科医院で意見を聞く際に最初に確認したいのは、抜歯か保存かの結論より先に、その判断の根拠となる検査データが揃っているかどうかです。歯周精密検査で一歯ずつポケットの深さを測り、レントゲンや歯科用CTで骨欠損 形態を確認したうえで説明が組み立てられているかが、判断の質を大きく左右します。

「骨が溶けているから抜きましょう」という説明だけでは、どの歯のどの面に、どの程度の骨吸収が起きているのかが読者側に見えません。数値と画像を提示しながら、なぜその歯は歯周組織再生療法の検討対象になり得るのか、あるいはなりにくいのかを言葉にしてもらうことが、納得感につながります。

当院では初診時にレントゲン撮影、口腔内写真、歯周病検査などを行い、現状を整理したうえで治療計画をご説明しています。検査結果を一緒に見ながら疑問点を挙げていくと、抜歯以外の選択肢が残っているかどうかの輪郭が見えてきます。

 

外科処置と長期管理を両立できる体制

重度歯周病で歯を残す治療を進める場合、手術ができることと、その後を管理し続けられることの両方が必要になります。歯肉剥離掻爬術のような外科処置で根の表面を清掃しても、その後の炎症コントロールが続かなければ、骨の状態は再び変化していく可能性があります。

確認しておきたいのは、外科処置を担当する歯科医師と、日常の管理を担う歯科衛生士が連携する仕組みがあるかという点です。当院では担当衛生士制度を採用し、同じ担当者が口腔内の変化を継続的に把握できる体制をとっています。前回と比べてポケットが深くなっていないか、出血が増えていないかといった微細な変化は、経過を知る担当者ほど気づきやすくなります。

手術の技術だけを比較するのではなく、術後5年、10年という時間軸で誰がどのように見ていくのかを尋ねてみると、その医院の姿勢が具体的に見えてくるでしょう。

 

働きながら通える診療時間と立地

歯を残す治療を選ぶうえで、通院を継続できるかどうかは技術と同じくらい現実的な判断材料になります。初期治療から外科処置、その後の定期管理まで、重度歯周病では長期にわたって歯科医院と付き合うことになるためです。営業職などで日中の予定が読みにくい方ほど、通院が途切れた時期に炎症が再燃するという展開が起こりやすくなります。

「平日に何度も抜けるのは難しい」と受診をためらう方は少なくありません。広尾駅周辺で職場や自宅からの動線を確認し、土曜や祝日にも受診できるか、急な予定変更に対応してもらえるかを事前に把握しておくと、治療計画そのものが立てやすくなります。

広尾麻布歯科は広尾駅からほど近い場所にあり、土曜・祝日の診療にも対応しています。通院のハードルを下げておくことは、単なる利便性の話ではなく、骨の状態を安定させ続けられるかどうかに直結する条件だと考えています。

 

 

 

抜くと言われても、まず骨の状態を確かめませんか

 

この記事で押さえておきたい判断軸

「歯周病で骨が溶ける」と告げられたとしても、それだけで歯の運命が決まるわけではありません。判断を分けるのは、骨がどれだけ失われたかという量だけでなく、どのような形で失われたかという骨欠損 形態、そして歯根や噛み合わせの条件です。垂直的に深く落ち込んだ欠損で周囲の壁が残っている歯と、水平に平坦に減った歯では、取れる選択肢が変わってきます。

もう1つの軸は、炎症をコントロールできる見込みがあるかどうかです。歯石や汚れを除去し、歯肉の炎症が落ち着く反応が出る歯であれば、その後の処置を検討する土台が整います。喫煙や糖尿病といった全身的な条件も、判断材料として無視できません。

つまり必要なのは、「抜く/残す」の二択を急ぐことではなく、歯を1本ずつ条件で切り分ける作業だと言えるでしょう。その切り分けの材料が揃っていない段階では、結論を保留しておく方が現実的です。

 

重度歯周病に向き合う当院の診療姿勢

当院では、重度に進行した歯周病に対して、まず状態を正確に把握することから始めます。初診時にはレントゲン撮影、口腔内写真、歯周精密検査、虫歯の検査などを行い、口腔内の全体像を確認します。骨欠損の広がりを立体的に確かめる必要がある場合には、歯科用CTを用いた診断も行っています。

治療としては、歯周ポケットの改善を目的とした歯周病治療と、必要に応じた歯周外科治療に対応しています。歯肉剥離掻爬術のような外科処置では、歯周組織再生療法と組み合わせて検討されることが一般的とされており、骨欠損の形や清掃状態を踏まえて適応を判断していきます。

担当衛生士制度を採用しているため、処置後の歯肉やポケットの変化を同じ担当者が継続して追うことができます。歯を残す治療は処置の瞬間だけで完結せず、その後の管理の精度が結果に反映されるという性質を持っています。

 

迷っている方が踏み出す最初の一歩

次の一歩としてお勧めしたいのは、抜歯の判断を受け入れるか迷っている段階で、骨の状態を数値と画像で確かめておくことです。ポケットの深さ、出血や排膿の有無、歯の揺れ具合、骨の輪郭といった情報が揃うと、どの歯が保存を検討できる側にあり、どの歯が難しいのかが整理されます。

仕事の合間に受診時間を確保するのが難しいと感じる方は少なくありません。当院は広尾駅の近くにあり、土曜・祝日の診療も行っているため、平日の来院が難しい状況でも検査と説明の機会を作りやすい環境です。全室個室の診療室なので、他の方に聞かれる心配なく歯の状況を相談していただけます。

「もう抜くしかない」と言われた歯について、別の見方があるかを確認したいという段階でも構いません。広尾麻布歯科では重度歯周病の検査と治療方針のご相談に対応しており、まずは今の骨の状態を一緒に見ていくところから始められます。

 

 

監修:広尾麻布歯科
所在地〒:東京都渋谷区広尾5-13-6 1階
電話番号☎:03-5422-6868

*監修者
広尾麻布歯科
ドクター 安達 英一

*出身大学
日本大学歯学部

*経歴
日本大学歯学部付属歯科病院 勤務
東京都式根島歯科診療所 勤務
長崎県澤本歯科医院 勤務
医療法人社団東杏会丸ビル歯科 勤務
愛育クリニック麻布歯科ユニット 開設
愛育幼稚園 校医
愛育養護学校 校医
・青山一丁目麻布歯科 開設
区立西麻布保育園 園医

*所属
日本歯科医師会
東京都歯科医師会
東京都港区麻布赤坂歯科医師会
日本歯周病学会
日本小児歯科学会
日本歯科審美学会
日本口腔インプラント学会

Contact

お問い合わせ

各種お問い合わせは下記よりお願いいたします。

ホームページ運営について

広尾麻布歯科では、それぞれの治療分野に特化した専門的な知識と経験を持つ歯科医師が在籍しています。患者さんに正確な医療情報を提供するため、医師監修の元、当院のホームページの運営および情報発信を行います。これを守る事により、患者さんに安心して当院の治療をお受け頂く環境を整えます。

当院では医療法に基づく広告規制を厳守しています。

医業や歯科医業、病院や診療所に関連する広告に関する指針(医療広告ガイドライン)を遵守し、正確で信頼性の高い情報を提供することに努める。