歯周病で歯がグラグラし始めたら|抜歯か保存かを分ける歯根の状態 - 広尾麻布歯科
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コラム

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2026.06.25

歯周病で歯がグラグラし始めたら|抜歯か保存かを分ける歯根の状態

目次

「抜くしかない」と言われ、疑問に思っていませんか?

グラグラしていても「抜かずに済んだ」ケースがある

歯がグラグラしているからといって、すべてのケースで抜歯が避けられないわけではありません。歯周病による骨の吸収がある程度進んでいても、適切な治療によって歯の動揺が落ち着き、保存できた事例は実際に存在します。

重要なのは「揺れている」という症状だけで判断するのではなく、歯根の周囲にどれだけ骨が残っているか、歯根膜(しこんまく:歯根と骨をつなぐ組織)の状態はどうかを精密に評価することです。揺れの程度と骨の残量は必ずしも一致しないため、見た目の症状だけでは保存可否は判断できないとされています。

「グラグラしているから、もう抜くしかない」という判断が唯一の結論になるとは限らず、検査の内容と担当医の経験によって、方針が変わることもあります。

「他に方法はないか」と感じるのは自然な反応

「抜歯が必要かもしれない」と告げられたとき、「本当にそれ以外に選択肢はないのか」と感じるのは、ごく自然な反応です。自分の歯を失うことへの抵抗感は、治療への意欲にも深く関わっているため、疑問を持つこと自体は前向きな姿勢といえます。

歯科治療の方針は、医院の診療体制や検査の精度、担当医の専門領域によって異なることがあります。同じ状態の歯でも、精密検査を行った結果「保存を試みる余地がある」と判断されるケースがある一方、詳細な検査をせずに結論が出ることも少なくありません。「他に方法はないか」という問いは、セカンドオピニオンを検討するきっかけとして正当な理由になります。

大切な歯のことだからこそ、1つの意見だけで判断を急がず、別の視点からの評価を受けることも選択肢に入れてみてください。

保存と抜歯を分ける判断基準は一つではない

保存か抜歯かを決める判断基準は、単一の指標ではなく複数の要素を総合して評価されます。歯根の長さと残存骨の量のバランス、歯の揺れの程度(動揺度)、歯周ポケット(歯と歯肉の間にできる隙間)の深さ、歯根の形状や破折の有無など、見るべき項目は多岐にわたります。

加えて、患者さん自身のセルフケアの実施状況や、糖尿病・骨粗しょう症といった全身的な健康状態も、治療方針に影響を与える要因として知られています。これらの要素が複雑に絡み合うため、「骨がここまで溶けたら抜歯」という単純な境界線では語れないのが実情です。

裏を返せば、精密な検査と多角的な評価を経てはじめて、保存の可能性が見えてくるとも言えます。その評価がどこまで行われているかが、判断の精度を大きく左右します。

 

歯がグラグラする原因と、歯周病が骨に与える影響

歯を支える骨が溶けるとグラつきが生じるしくみ

歯がグラグラするのは、歯そのものではなく、歯を土台として支えている歯槽骨(しそうこつ)が失われていくことで起こります。歯周病菌が出す毒素に対し、体の免疫細胞が慢性的な炎症反応を起こし続けることで、骨を吸収する細胞の活動が高まります。この過程が長期間続くと、歯槽骨はじわじわと失われていきます。

骨が薄くなると、歯根を包んで衝撃を吸収している歯根膜(しこんまく)の支持力も弱まります。かつては骨でしっかり保持されていた歯根が、次第に周囲の組織だけで支えられる状態になり、外からの力に対して揺れやすくなります。「グラグラする」という自覚症状が現れる頃には、骨吸収がある程度の段階まで進んでいることを意味します。

歯周病の進行度と骨吸収の深さの関係

歯周病の進行段階と骨吸収の深さは、ほぼ比例して深刻になっていきます。軽度から中等度の段階では、歯槽骨の吸収は歯根の浅い部分にとどまっていることが多く、グラつきも軽微です。一方、重度歯周病と診断される段階では、骨吸収が歯根の中程から根の先端付近にまで及んでいるケースがあります。

骨吸収の深さは、歯科用CTやレントゲンを使って初めて正確に把握できます。見た目の歯肉の状態だけでは、内部でどれだけ骨が失われているかを判断することはできません。「歯茎が腫れているだけ」と感じていても、画像診断で予想以上に骨が吸収されていることが確認されるケースもあります。骨吸収の深さと範囲が、後の保存か抜歯かの判断に直結する情報となります。

自覚症状が少ないまま進行する重度歯周病の特徴

重度歯周病に至るまでの過程で、強い痛みが現れにくいという特性があります。歯周病は歯髄(神経)に直接触れる虫歯とは異なり、骨や歯肉という神経の少ない組織が主な炎症の舞台です。そのため、骨がかなりの量失われるまで、日常生活では気づかないまま経過することが少なくありません。

「ここ最近、食事のときに歯が揺れる感触がある」「歯茎から血が出やすい」といった変化が、実は長期間にわたる骨吸収の末に現れたサインである可能性があります。グラグラし始めてから受診した段階では、すでに重度の骨吸収が起きていると診断されるケースも珍しくありません。自覚症状が乏しい性質を持つ疾患だからこそ、症状が出た時点での状態把握には、画像検査や歯周病検査を含む精密な診査が欠かせません。

 

歯周病の進行を悪化させる口腔内の状態

歯周ポケットの深さが判断を左右する理由

歯周ポケット(歯と歯肉の境目にある溝)の深さは、歯周病の進行度を測る上で最も基本的な指標の一つです。健康な状態では1〜2mm程度ですが、4mm以上になるとポケット内部に歯ブラシが届かなくなり、歯周病菌が温床をつくりやすい環境が生まれます。

ポケットが6mm、7mmと深くなると、ポケット底部では酸素が少なく、嫌気性の歯周病菌が増殖しやすい状態になります。この菌が出す毒素が歯槽骨(しそうこつ:歯を支える骨)を攻撃し続けることで、骨吸収が深部まで及んでいくのです。

深いポケットは単に「汚れがたまりやすい」という問題にとどまらず、外科的にアプローチしなければ感染源を取り除けない状態を意味します。その意味で、ポケットの深さは保存か抜歯かの判断にも直接関わってくる数値といえます。

歯根の形状と骨吸収のパターンが保存難易度に影響する

骨が「どれだけ溶けたか」だけでなく、「どのように溶けたか」というパターンも、歯を残せるかどうかの難易度を左右します。骨吸収には大きく分けて、歯全体で均一に骨が下がる水平型と、特定の歯根まわりだけ深く溶ける垂直型(骨内欠損)があります。

垂直型の骨吸収は一見すると重症に映りますが、欠損の形状によっては外科処置で改善を図れる余地が生まれることがあります。一方で、複根歯(根が2〜3本に分かれた歯)で根と根の間の骨まで失われているケース(根分岐部病変)は、器具が届きにくい構造上、治療難易度が上がります。

歯根自体の長さや曲がり具合も影響します。根が短ければ、骨が少し溶けただけでも支持力が大きく低下します。こうした歯根の形状と骨吸収パターンは、平面のレントゲンだけでは捉えきれない側面もあり、立体的な把握が判断の精度を高めることにつながります。

噛み合わせの負担が残存骨をさらに傷める悪循環

歯周病によって骨が失われた歯には、噛む力そのものが新たな負担源になります。健康な状態であれば歯根膜(しこんまく:歯根と骨の間にあるクッション組織)が噛む力を分散しますが、歯周病が進行するとこの組織が破壊され、骨への力の伝わり方が変わります。

支えが弱くなった歯に過剰な噛み合わせの力が加わり続けると、残っている骨がさらにダメージを受けやすくなります。これを咬合性外傷(こうごうせいがいしょう:噛み合わせの力が原因で起こる歯周組織へのダメージ)と呼び、歯周病の炎症と重なることで骨吸収が加速するケースがあります。

「グラつきが急に強くなった」と感じるとき、歯周病の進行だけでなく噛み合わせの問題が背景にある場合も少なくありません。治療方針を考える際には、炎症のコントロールと合わせて咬合の評価も行うことが、残存骨をこれ以上減らさないための視点として重要です。

 

歯科医が抜歯を勧める判断基準と保存できる条件

残存骨の量・歯根長・動揺度から保存可否を判断する

歯科医が抜歯を勧める主な根拠は、歯を支えている骨(歯槽骨)がどれだけ残っているか、歯根の長さに対して骨の吸収がどの割合まで進んでいるかという点にあります。一般的に、歯根の半分以上の骨が失われているケースでは、保存の難易度が大きく上がると考えられています。

歯の揺れの程度を示す「動揺度」も判断材料の一つです。動揺度は1〜3度に分類され、3度(あらゆる方向に大きく揺れる状態)まで進行していると、外科処置を行っても機能回復が見込みにくい場合があります。一方、動揺があっても骨吸収が水平型で均等に残っているケースでは、外科的な介入によって状態を改善できる余地が生じることもあります。

さらに、歯根の破折(縦割れ)が起きている場合は、保存の対象から外れることがほとんどです。破折の有無は歯科用CTや拡大視野での精密な確認によって判断されるため、レントゲンだけでは見落とされるケースがあることも知っておくとよいでしょう。

全身疾患・服用薬が外科処置の適否に影響するケース

保存治療の方針は、口腔内の状態だけで決まるわけではありません。全身疾患や服用中の薬が、歯周外科処置の実施可否に直接影響することがあります。たとえば、血液をサラサラにする薬(抗凝固薬・抗血小板薬)を継続服用している場合、外科処置中の出血コントロールが難しくなる場合があり、処置の適用が制限されることがあります。

血糖コントロールが十分でない糖尿病の方では、術後の組織治癒が遅れる傾向があります。骨粗鬆症の治療薬として用いられるビスホスホネート系薬剤の服用歴がある場合も、顎骨への影響から外科的処置を慎重に検討する必要が生じます。

こうした背景から、初診時に服用薬・持病・通院中の医院を正確に伝えることが、治療方針の精度を左右します。「飲んでいる薬くらい関係ないだろう」と判断せず、問診票には詳しく記入することが、安全な治療計画の出発点になります。

セルフケア能力と磨き残し率が治療方針を変える理由

歯周外科治療を行っても、術後のプラーク(歯垢)管理が十分でなければ、改善した組織が再び炎症を起こし、骨の吸収が再燃するリスクがあります。そのため、患者さん自身のセルフケア能力が、保存治療を進めるうえでの重要な条件の一つとして考慮されます。

磨き残し率(プラークコントロールレコード)が一定水準を下回らない状態では、外科処置を行っても長期的な維持が難しいと判断される場合があります。歯並びや手先の器用さ、生活スタイルによっては、現状のブラッシング法では届きにくい部位が生じることもあります。

「どれだけ歯磨きに時間をかけているか」ではなく、「プラークが実際に除去できているか」が評価の基準です。歯科医院での染め出し検査によって磨き残しの箇所を把握し、適切なケア方法を身につけることが、保存治療の前提条件を整えることにつながります。

 

重度歯周病でも歯を残せる3つの治療アプローチ

歯周外科治療(フラップ手術)で深部の病巣に対応する

重度歯周病では、スケーリングなどの通常のクリーニングだけでは届かない深部に病巣が形成されていることがあります。そのような場合に検討されるのが、歯肉剥離掻爬術(フラップ手術)と呼ばれる歯周外科治療です。歯肉を切開して一時的に開くことで、歯根の表面に付着した歯石や感染組織を直接取り除くことができます。

通常の処置では器具が届きにくい深い歯周ポケット(歯と歯肉の間の溝)に対しても、視野を確保しながら丁寧に清掃できる点がこの術式の特徴です。ポケットの改善や歯槽骨(歯を支える骨)周辺の環境を整えることで、歯の動揺が落ち着き、保存の可能性が広がるケースがあります。ただし、骨の損傷が著しく進んでいる場合や感染のコントロールが難しい状況では、外科治療の対象とならないこともあります。

歯周組織再生療法が検討される場合とその考え方

歯周外科治療で感染部位を除去した後、破壊された歯周組織の回復を目的として、歯周組織再生療法が組み合わせて検討される場合があります。これは、失われた歯を支える組織の再生を促すことを目的とした治療アプローチです。すべてのケースに適用できるわけではなく、骨吸収のパターンや残存している骨の状態、歯根の形状などによって適応の可否が変わります。

特に、歯槽骨の吸収が垂直方向(骨の深さ方向)に進んでいる場合は、水平方向に広く溶けたケースと比べて再生療法の効果が期待しやすいとされています。一方で、再生療法はあくまで組織の回復を「促す」アプローチであり、吸収された骨が元通りに戻ることを保証するものではありません。外科処置の前後を通じた炎症コントロールとセルフケアの質が、治療の方向性を左右する重要な要素となります。

外科処置後の継続メンテナンスが保存成功を左右する

歯周外科治療を受けた後も、継続的なメンテナンスに通い続けることが保存を維持するうえで欠かせない条件です。外科処置で病巣を取り除いたとしても、プラーク(歯垢)の管理が不十分であれば歯周病菌は再び増殖し、骨吸収が再発するリスクがあります。手術後の治癒状態を確認しながら、専門的なクリーニングと歯周ポケットの深さの変化を定期的にチェックすることが求められます。

メンテナンスの間隔は口腔内の状態によって異なりますが、歯周病の既往がある歯を長期的に保存するためには、通常の定期検診よりも短いサイクルで管理されることが多いのが実情です。「治療が終わったから安心」ではなく、術後の経過観察と日々のセルフケアの積み重ねが、保存した歯の寿命を実質的に決める要因となります。担当衛生士が継続して口腔内の変化を把握できる体制があるかどうかも、医院選びの観点として考慮に値するでしょう。

 

保存か抜歯かの決断で後悔しないための考え方

「歯を残せる可能性」は精密検査の結果で変わる

保存できるかどうかの判断は、視診や問診だけでは決着がつかず、精密検査によって初めて具体的な見通しが立ちます。歯のぐらつきがあっても、骨がどの範囲まで吸収されているか、歯根の形状はどうか、歯周ポケットの深さはどの程度かといった情報が重なることで、保存の余地が見えてきます。

歯科用CT(コンピュータ断層撮影)を使うと、通常のレントゲンでは把握しにくい骨の三次元的な状態を確認できます。骨吸収が水平方向か垂直方向かによって治療アプローチが異なり、その判断には立体的な画像情報が役立ちます。「抜くしかない」という結論も、検査の精度によっては再評価の余地が生まれることがあります。

同じ「グラグラしている歯」でも、歯根の残存長や周囲の骨の状態が異なれば、治療方針はまったく変わります。検査を受ける前から結論を決めるのではなく、まず現状を正確に把握することが、後悔しない判断への入口といえるでしょう。

抜歯後の選択肢(インプラント・入れ歯)も視野に入れて判断する

保存か抜歯かの判断は、「抜いた後どうするか」という視点と切り離して考えることが難しいケースがあります。仮に抜歯になった場合、その後の補綴(ほてつ:欠損した歯を補う治療)として、インプラントや入れ歯などの選択肢があります。それぞれの方法には適応条件や費用・期間の違いがあるため、治療全体の見通しを把握したうえで判断することが望まれます。

インプラントは顎の骨に人工歯根を埋め込む方法で、骨の量が不足しているケースでは、骨を補う処置が必要になることもあります。入れ歯は外科処置を伴わない選択肢ですが、装着感や安定性には個人差があります。どちらが適しているかは、残存歯の状態や全身の状態、生活スタイルなどを踏まえて検討することになります。

「歯を残す努力をしたうえで、それでも保存が難しい場合にどうするか」という流れで考えると、判断の軸が整理されます。無理に保存して他の歯への影響が出るよりも、抜歯後の補綴まで見据えた計画が、口腔全体の健康につながる場合があります。

セカンドオピニオンが有効なケースと活用の考え方

「抜歯が必要」と告げられたとき、「本当にそうなのか確かめたい」と感じるのは自然な反応です。そうした場合、セカンドオピニオンを求めることは、治療方針を慎重に検討するうえで有効な手段の一つとされています。現在かかっている歯科医院に不満があるという意味ではなく、診断の妥当性を客観的に確認するための行動として、広く認められています。

セカンドオピニオンで特に意味があるのは、重度歯周病や複雑な歯根の状態など、保存の可否の判断が難しいケースです。別の医師が異なる精密検査を行うことで、最初の診断とは異なる見解が得られることもあります。その結果が同じであれば、最初の診断への納得感が高まり、抜歯に踏み切る際の心理的な整理にもつながります。

受診する際は、現在のレントゲンや検査データを持参すると、検査の重複を避けながら判断材料を提供できます。歯周病の治療は長期にわたることが多く、「この医院で治療を続けたい」と思えるかどうかも、担当医選びに影響する要素の一つです。

 

精密検査と診断体制が治療方針の精度を決める

歯科用CTで骨の立体的な状態を把握する意義

歯周病による骨吸収の状態を正確に把握するには、平面的なレントゲンだけでは見えない情報が存在します。通常のレントゲンは2次元の投影像であるため、骨の厚みや、歯根の頬側・舌側といった前後方向の吸収具合まで読み取ることには限界があります。歯科用CTを用いることで、骨の状態を3次元で確認でき、残存骨の量や形状をより詳細に把握できます。

この立体的な情報は、保存か抜歯かの判断に直結します。たとえば、正面から見たレントゲンでは骨が残っているように見えても、CT画像で確認すると頬側の骨がほとんど消失しているケースがあります。逆に、2次元画像では深刻に見えた骨吸収が、立体的に確認することで保存の余地が見つかる場合もあります。歯根を支える骨の実際のボリュームを把握することが、治療計画の精度を左右します。

 

初診で行う歯周病検査・口腔内写真・レントゲンの役割

治療方針の精度は、初診時にどれだけ多角的な情報を集められるかで変わります。広尾麻布歯科では、初診時にレントゲン撮影、口腔内写真撮影、歯周病検査などを行い、口腔内の状態を包括的に記録しています。これらを組み合わせることで、歯周病の進行度合いや骨吸収の範囲を客観的なデータとして把握することが可能です。

歯周病検査では、歯周ポケット(歯と歯肉の間の溝)の深さを複数箇所で測定し、出血の有無も確認します。口腔内写真は視覚的な記録として経過観察にも役立ち、治療前後の変化を比較する際に重要な参照資料となります。こうした検査データを積み重ねることで、「現在どの歯が保存できる状態にあるか」「どのアプローチが適切か」という判断に根拠が生まれます。

マイクロスコープを使った拡大視野での精密な歯根確認

歯根の状態を詳細に確認する際、拡大視野での観察が診断の精度を高める場合があります。歯根の表面には歯石が付着していることが多く、また歯根破折(歯の根にひびや割れが生じた状態)が保存可否の重要な判断要因となるケースもあります。肉眼では捉えにくい微細な変化を見落とさないために、広尾麻布歯科ではマイクロスコープを活用した精密な確認が行えます。

歯根破折は、レントゲンだけでは発見できないことも多く、拡大視野での直接観察が判断の補助として機能します。治療中に歯根の状態をより細かく把握できると、歯石除去の精度にも影響し、外科処置を行う場合の計画精度も変わります。「他院で抜歯と言われたが、本当に保存の余地がないのか」と感じている患者さんにとって、精密な検査体制のもとで改めて評価を受けることは、判断の根拠を確かめる一つの手段と言えるでしょう。

 

よくある疑問:抜歯と保存に関するQ&A

Q. グラグラが強くても歯周外科で改善できますか?

動揺の強さだけでは、歯周外科治療の適否を判断できません。グラつきが目立っていても、その原因が骨吸収の進行度・炎症の活動性・噛み合わせの過負荷のどこにあるかによって、外科処置の効果見込みは大きく異なります。

歯周外科治療(フラップ手術など)は、歯肉を開いて深部の歯石や感染組織を除去し、骨の状態を直接確認しながら処置する方法です。炎症が収まることで歯周組織が安定し、動揺が軽減するケースがあります。

一方、歯根が縦に割れていたり、骨吸収が歯根の先端近くまで及んでいたりする場合は、外科的なアプローチを行っても歯を支える構造の回復が見込みにくいと判断されることがあります。動揺の程度に加え、残存骨の量や歯根の形状を精密検査で把握することが、判断の出発点となります。

Q. 骨吸収が進んだ歯を残すと他の歯に影響しますか?

骨吸収が著しく進行した歯を適切な管理なく口腔内に残し続けると、隣接する歯や歯周組織に悪影響が及ぶ可能性があります。これは「保存するかどうか」の判断において、見落とされやすい視点の一つです。

歯周病菌は感染組織を介して隣の歯の歯周ポケットに波及することがあります。また、動揺が大きい歯に噛み合わせの力が集中すると、隣在歯の骨にも余計な負担がかかる場合があります。こうした波及リスクを考慮したうえで、保存か抜歯かという判断が行われるのが一般的です。

ただし、これは「骨吸収が進んだ歯は即座に抜くべき」という意味ではありません。炎症のコントロールが達成され、口腔全体のプラーク管理が適切に維持できていれば、隣接歯への悪影響を抑えながら保存を継続できるケースもあります。口腔全体の状態を踏まえた総合的な診断が欠かせない理由は、この点にあります。

Q. セカンドオピニオンを受けることは失礼ではないですか?

セカンドオピニオンを求めることは、医療においてごく自然な行動であり、現在通院している医師への不信感を意味するものではありません。「抜歯が必要」と言われたとき、保存の可能性を別の視点で確認したいと感じるのは、多くの患者さんが経験する率直な反応です。

特に重度歯周病の治療方針は、検査精度・使用機器・術者の経験によって判断に幅が生じることがあります。歯科用CTによる立体的な骨の評価や、拡大視野での歯根確認など、精密検査の内容によって保存可否の見解が変わるケースも報告されています。

セカンドオピニオンは「より多くの情報を集めて自分で判断する」ための手段です。現在の主治医への報告義務はなく、別の医療機関での評価を受けたうえで元の医院に戻ることも、もちろん可能です。「諦める前にもう一度確認したい」という気持ちは、治療への主体的な関わりとして尊重されるべきものです。

 

広尾で重度歯周病の相談先を選ぶときの視点

歯周外科治療に対応できる診療体制かどうかを確認する

重度歯周病で歯がグラグラしている状態では、歯石除去や歯磨き指導だけでなく、外科的なアプローチが治療の選択肢に入ります。そのため、相談先を選ぶ際には、歯周外科治療に対応しているかどうかが判断のひとつの軸になります。

歯周外科治療では、歯肉を切開して歯根の深部まで直接アクセスし、歯石や感染した組織を取り除く処置が行われます。フラップ手術(歯肉剥離掻爬術)や歯肉切除術などが代表的で、ポケットが深く器具が届きにくい部位の治療において効果が期待される術式です。

こうした外科処置には手術用の設備や技術が求められるため、対応可能かどうかを事前に確認しておくことで、転院や紹介といった手間が後から生じにくくなります。広尾麻布歯科では、歯周外科治療に対応した診療体制を整えています。

精密検査から外科処置まで一貫して対応できるか

保存か抜歯かの判断を左右するのは、診断の精度です。骨の吸収がどの深さまで進んでいるか、歯根の形状や歯周ポケットの状態がどうなっているかを正確に把握するには、平面的なレントゲンだけでなく、歯科用CTによる立体的な評価が診断の幅を広げます。

加えて、初診で歯周病検査・口腔内写真・レントゲン撮影を包括的に行う体制があるかどうかも確認しておきたい点です。複数の検査結果を総合して治療計画を立てることで、「この歯は保存が見込める」「この歯は抜歯を検討すべき」という判断の根拠が明確になります。

精密な診断から外科処置まで同じ医院で完結できると、検査結果の引き継ぎロスや患者さんの負担が軽減されます。広尾麻布歯科では初診時に各種検査を行い、口腔内の状態を多角的に把握したうえで治療方針を検討しています。マイクロスコープや歯科用CTも活用されており、歯根や骨の状態を精密に確認できる環境が整っています。

長期メンテナンスを継続できる環境と担当制の有無

重度歯周病の治療で歯を保存できたとしても、その後のメンテナンスを継続しなければ再発リスクが残ります。外科処置で病巣を取り除いた後も、歯周病菌のコントロールや定期的な状態確認が歯の寿命を左右するため、通いやすさと継続的な管理体制の両方が欠かせません。

担当衛生士制度を採用している医院では、担当者が患者さんの口腔内の変化を継続的に記録・管理することで、わずかな変化にも気づきやすくなります。毎回担当が変わる環境では蓄積されにくい「その患者さんならではの経過」が共有されやすいという点で、長期管理に向いていると考えられます。

広尾麻布歯科では担当衛生士制度を採用し、患者さんごとの口腔内状態を継続的に把握する方針で診療を行っています。広尾駅から徒歩2分という立地と土曜・祝日も診療している体制は、仕事や家事の合間にメンテナンスを組み込みやすい環境といえます。定期的に通い続けることで、治療後の状態をしっかりと維持していくことが可能です。

 

諦める前に、一度きちんと診てもらいませんか

保存か抜歯かを分ける重要なポイントの整理

歯周病でグラつきが生じている歯が保存できるかどうかは、残存する歯槽骨(しそうこつ:歯を支える骨)の量、歯根の長さと状態、歯周ポケットの深さ、そして動揺の程度を総合的に評価して判断されます。これらをひとつの指標だけで判断することはなく、複数の要素が組み合わさって初めて治療方針が決まります。

見落とされやすいのは、「グラつきの強さ」と「骨の残存量」が必ずしも比例しないという点です。歯周ポケット内に溜まった炎症や噛み合わせの負担を取り除くことで、グラつきが落ち着くケースがあります。一方、骨吸収が歯根の先端付近まで達していたり、歯根が縦に亀裂している場合は、外科的処置をおこなっても長期的な保存が難しいと判断されることがあります。重要なのは「今の状態でどこまで対応できるか」を精密検査で正確に把握することであり、その評価なしに保存か抜歯かを結論づけることはできません。

重度歯周病に向き合う広尾麻布歯科の診療姿勢

広尾麻布歯科では、歯周病治療において初診時にレントゲン・歯科用CT・口腔内写真・歯周病検査を組み合わせ、骨の吸収状態を立体的かつ総合的に把握したうえで治療方針を検討しています。歯肉剥離掻爬術(フラップ手術)をはじめとする歯周外科治療にも対応しており、スケーリングなどの基本処置だけでは改善が難しい深部の病巣へのアプローチを行っています。

担当衛生士制による継続的な管理体制も整えており、外科処置後のメンテナンスを通じて治療効果を維持する環境が構築されています。「全ての患者さんを家族と想う」という理念のもと、重度歯周病であっても安易に抜歯を結論とするのではなく、保存の可能性を丁寧に検討することを診療姿勢の軸としています。歯を残せるかどうかの判断に時間と精度をかけることが、患者さんの口腔の長期的な健康につながるという考え方です。

セカンドオピニオンを検討している患者さんへ

「抜くしかない」と言われたものの、本当にそうなのか確かめたいという気持ちは、自分の歯を守ろうとする自然な判断です。セカンドオピニオンは、現在の担当医の診断を否定するためではなく、治療の選択肢を広げ、納得したうえで決断するための手段として活用できます。特に重度歯周病の判断は、検査の精度や診断の深さによって結論が変わり得るため、複数の視点から評価を受けることには意義があります。

グラつきが気になっている歯がある方、他院で抜歯を勧められたが保存の可能性について確認したい方は、広尾麻布歯科にご相談ください。現在の口腔内の状態を精密に評価し、保存治療の検討を含めた診療に対応しています。まずは現状を正確に把握することが、後悔のない選択への第一歩となります。

 

監修:広尾麻布歯科
所在地〒:東京都渋谷区広尾5-13-6 1階
電話番号☎:03-5422-6868

*監修者
広尾麻布歯科
ドクター 安達 英一

*出身大学
日本大学歯学部

*経歴
日本大学歯学部付属歯科病院 勤務
東京都式根島歯科診療所 勤務
長崎県澤本歯科医院 勤務
医療法人社団東杏会丸ビル歯科 勤務
愛育クリニック麻布歯科ユニット 開設
愛育幼稚園 校医
愛育養護学校 校医
・青山一丁目麻布歯科 開設
区立西麻布保育園 園医

*所属
日本歯科医師会
東京都歯科医師会
東京都港区麻布赤坂歯科医師会
日本歯周病学会
日本小児歯科学会
日本歯科審美学会
日本口腔インプラント学会

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