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歯周病/歯周外科治療

Medical information

こんなお悩みありませんか?

歯周病は、多くの成人に影響を及ぼす一般的な疾患であり、推定で成人の約80%が何らかの形で歯周病に罹患しています。あなたが歯周病かどうかを自己診断するために、以下のセルフチェックリストを用意しました。該当する項目がいくつあるか確認してみてください。

  • 口臭が気になる、または他人から口臭を指摘された
  • 朝起きた時に口内が不快でネバネバする
  • 歯を磨いている時に出血することがある
  • 歯茎が赤く腫れて見える
  • 歯茎が後退している、または歯が長く見える
  • 歯茎を押すと血や膿が出る
  • 食べ物が歯間に詰まりやすい
  • 歯が不安定で浮いている感じがする
  • 歯並びや噛み合わせに違和感がある
  • 歯が揺れる感覚がある

上記のリストから、いくつの項目に該当しましたか?

1~3項目に該当した場合、歯周病のリスクがありますので、速やかに歯科医院への相談をお勧めします。

4~5項目に該当する場合は、歯周病が既に進行している可能性があります。できるだけ早く治療を受けることが重要です。
歯周病は症状が出ないまま進行することもあるため、項目に該当しなかった方も、定期的な検診を受け、早期発見と早期治療に努めましょう。

歯周病の概要と治療

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30歳を超えると約3分の2の人が歯周病にかかっているとされています。歯周病は、歯を失う最大の原因となり、虫歯を上回る抜歯のリスクを持つ疾患です。ここでは、歯周病について詳しくご紹介します。

歯周病とは何か?

歯周病は歯の周りの組織の炎症を引き起こす疾患で、主に歯周病菌の感染により発症します。感染が進むと歯肉や歯を支える骨(歯槽骨)が徐々に失われ、最終的には歯が抜け落ちる恐れがあります。
歯周病の原因は、歯垢(プラーク)による汚れで、特に歯と歯肉の境界にある歯肉溝に汚れが蓄積することで、細菌が繁殖しやすくなります。自覚症状が出にくいのが特徴で、痛みを感じ始めた時には病状が進行していることが多いです。

進行の過程

歯の表面に部分的な凹みが生じ、茶色く変色して見える段階です。この段階ではまだ痛みはありませんが、自然治癒は望めず、虫歯部分を軽く削り取り、歯の色に合わせたレジン(合成樹脂)や金属で充填します。

 正常状態

歯と歯肉の間の隙間(歯周ポケット)は約1~2mmが正常範囲です。

軽度の歯周炎

歯周ポケットが約2~3mmに深まり、歯周病菌が組織へ侵入し始めます。

中度の歯周炎

歯槽骨の半分程度が破壊され、歯がわずかに動く感覚がある状態です。

重度の歯周炎

進行がさらに進み、歯が明らかに揺れ、痛みを伴うことも。この段階では抜歯が必要になることもあります。


早期発見と治療が重要であり、初期症状に気づいたらすぐに歯科医院を訪れることが推奨されます。

歯周病は治るの?

歯周病は治療できる疾患ですので、心配無用です。さらに、適切な予防策を講じることで発症を防ぐことも可能です。かつては「治らない疾患」と見なされていたこともあり、歯周病に対する誤解が根強く残っていますが、現代の歯周病治療技術は大きく進歩しており、有効な治療手段が存在します。
歯周病を防ぐためには、予防、早期発見・治療、そして継続的なメンテナンスが鍵となります。定期的な歯科診療を受け、自身の歯を健康に保つことが重要です。
歯周病の主な原因は、歯垢(プラーク)の蓄積にあります。従って、予防策としては以下のポイントが重要です。

  • 正しい歯磨き方法を習得し、1日3回の徹底した口腔衛生の維持
  • 定期的な歯科訪問によるプロフェッショナルクリーニングでの歯垢・歯石除去
  • 早期治療が必要な場合は、感染の拡大を防ぐため速やかに受診
  • 治療後は、専門的なクリーニングやメンテナンスを受け、状態のモニタリング

これらの指針に従うことで、歯周病のリスクを著しく減少させ、抜歯のリスクを最低限に抑えることが可能になります。

歯周病治療のアプローチ

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歯周病は、適切な治療と予防によって克服可能な疾患です。約30代以上の大多数が何らかの形で歯周病に罹患しているとされ、未治療のままでは歯の喪失に直結するリスクを高めます。今回は歯周病の治療方法に焦点を当てて解説します。

歯周病治療の核心は、「歯垢」(プラーク)の除去にあります。歯垢が原因で発生する細菌による感染を抑え、歯周病の進行を防ぐためには、歯垢や歯石の除去が不可欠です。このプロセスは、「歯周基本治療」と呼ばれ、セルフケアと専門家によるケアの二つの側面から進められます。セルフケアは患者さん自身が日常的に行う歯磨きなどの口腔衛生管理を指し、専門家によるケアは歯科医院で行われる専門的なクリーニングを意味します。

生活習慣や他の健康状態も歯周病の進行に影響を及ぼすため、「歯周基本治療」はこれらの要因を総合的に考慮した治療方法です。軽度から重度の歯周病に至るまで、あらゆる段階の患者さんに適用されます。

具体的な治療手順

歯周病は歯の周りの組織の炎症を引き起こす疾患で、主に歯周病菌の感染により発症します。感染が進むと歯肉や歯を支える骨(歯槽骨)が徐々に失われ、最終的には歯が抜け落ちる恐れがあります。
歯周病の原因は、歯垢(プラーク)による汚れで、特に歯と歯肉の境界にある歯肉溝に汚れが蓄積することで、細菌が繁殖しやすくなります。自覚症状が出にくいのが特徴で、痛みを感じ始めた時には病状が進行していることが多いです。

1. 歯周基本治療

歯垢や歯石の除去が優先され、続いて歯根面を滑らかにし、必要に応じて噛み合わせを調整します。この段階では、プラークコントロールが重要で、歯科医院での「スケーリング」(専用器具を使用したクリーニング)や「ルートプレーニング」(歯根表面のクリーニング)が行われます。

2. 歯周外科治療

重度の歯周病や、歯周基本治療だけでは改善が見られない場合に外科的介入を行います。これには、歯周ポケットの深さを減少させる手術や、失われた骨の再生治療が含まれます。

3. 正しい歯磨き

効果的なプラークコントロールのためには、正しい歯磨き方法の習得が必須です。当院では、患者さんが自宅で適切な歯磨きができるよう、ブラッシング指導を行っています。

歯周基本治療と歯周外科治療を通じて、歯周ポケットの深さが適切な範囲に戻れば、定期的なメインテナンスに移行し、患者さんの口腔内環境の維持を目指します。

5つの効果的な歯磨きテクニック

歯周病の予防と治療には、正確な歯磨き方法が不可欠です。以下に、効果的な歯磨きの5つのポイントを紹介します。

1. 磨きたい箇所にブラシを正確に当てる

磨く部分にブラシが確実に触れているかを鏡で確認しながら歯磨きを行いましょう。

2. 歯肉にダメージを与えないように磨く

ブラシの動かし方は、横方向、縦方向、または円を描く動作でも構いません。重要なのは、歯肉を傷つけず、効率的にプラークを除去することです。

3. 力を加えずに軽く磨く

強すぎる力で磨くと、ブラシの毛が開いてしまい、磨きにくくなります。また、歯肉を傷める原因にもなるため、軽いタッチで磨くことが推奨されます。

4. 細かな動きで磨く

歯は微細な凹凸があるため、小さな動きで丁寧に磨くことで、歯垢を効果的に取り除くことができます。特に、歯と歯の間や歯の裏面など、汚れが溜まりやすい部分は丁寧に磨きましょう。

 5. 各部位を十分に磨く

歯垢は粘り気があるため、1~2回のブラッシングでは完全に除去できません。就寝前のブラッシングには時間をかけ、各部位を10~20回程度磨くことで、歯垢の除去を徹底しましょう。

これらのポイントを守ることで、歯周病のリスクを低減し、健康な口腔環境を維持することができます。

歯周外科治療の目標と適用条件

歯周外科治療は、進行した歯周病に対する効果的な治療手段の一つです。その主な目的は以下の通りです。

1. 深い歯根面のクリーニング

専門器具を用いて、隅々まで歯垢や歯石を除去します。

2. 歯肉の健康な幅を確保

歯や骨に固着している歯肉の幅を適切に調整します。

3. 歯周ポケットの改善

健康的な深さへと歯周ポケットを修復します。

4. 審美的な見た目の向上

美しい歯並びと歯肉線を目指します。

5. 歯を支える骨の再生

骨の再生を促進し、歯を安定させます。

6. 歯茎の健康改善

歯茎や歯槽粘膜の状態を良好に保ちます。

7. プラークコントロールの容易化

日々のお手入れがしやすい環境を整えます。

8. 補綴治療前の口腔環境整備

補綴治療の成功率を高めるための前処置を行います

歯周基本治療後にも改善が見られない、4mm以上の歯周ポケットがある場合、歯肉を切開し歯根の歯垢や歯石を直接除去する「歯周外科治療」が推奨されます。この手術により、深部の歯石を視覚的に確認し、根本的な原因物質を徹底的に除去することが可能です。

適応外のケース

一部の患者さんには、歯周外科治療が適していない場合があります。例えば、血液をサラサラにする薬を服用中の方や、手術が難しい持病を持つ方、また日々の口腔ケアが難しい方は、治療の適用外となることがあります。磨き残しの検査結果が20%以下にならない方も、この治療法の対象外です。
広尾エリアで歯周病治療を専門に行う当院では、先進的な歯周外科治療を提供しています。患者さんが安心して手術を受けられるよう、抗不安薬の使用も可能ですが、自由診療となるため、費用と時間の両方に負担が可能な患者さんに限られます。

歯周外科治療再発のリスクについて

歯周病の進行に対抗するため、私たちのクリニックでは、生活習慣が原因となって発生する歯周病に対して、歯周外科治療を含む総合的なアプローチを採用しています。治療を受けた後も、日常のケアを改善しなければ、歯周病の再発のリスクがあります。そのため、治療後の正しい歯磨き方法の実践と、定期的なメインテナンスを強く推奨しています。

歯周外科治療の選択肢

1. 歯肉剥離掻爬術(フラップ手術)

歯肉を切開し、歯根に固着した歯石や歯垢を直接視認しながら除去します。この手法は、目に見えない部分の汚れを除去できるため、非常に効果的です。治療後、切開部を縫合し、約1週間で抜糸します。最新の歯周組織再生療法と組み合わせることが一般的で、これにより歯や歯肉、さらには骨までも再生させることが可能です。

2. 歯周ポケット掻爬術

歯肉の切開なしに、歯石や歯垢を除去する方法です。スケーリングやルートプレーニングで使用される器具を利用し、歯根に付着した汚れや病原体を取り除きます。この処理により、歯根と歯肉が密着し、歯周ポケットの深さが改善されます。

3. 歯肉切除術

歯肉をレーザーで切除し、歯周ポケットの深い部分を取り除き、プラークコントロールを容易にします。私たちのクリニックでは、伝統的な手法に代わり、「CO2レーザー」を使用し、出血が少なく、治癒が早い治療を実現しています。

4. 小帯切除術

口腔内の小帯と呼ばれる膜をCO2レーザーで切除します。これにより、言語障害や歯間の開き、見た目の問題を解決します。レーザー治療は、患者さんの負担を最小限に抑えることができます。

5. 口腔前庭拡張術

適切な口腔前庭のスペースを確保するために、粘膜を調整し、適切な位置に歯肉を固定します。

6. 露出根面被覆術

露出した歯根をカバーするために、他の部位から歯肉を移植し、歯根を保護します。

フラップ手術の役割と慎重な適用基準

フラップ手術は、日常の口腔ケアを適切に実施できる患者さんに限り推奨される治療です。不適切な歯磨きは再度の歯周病菌の侵入を促し、状況を悪化させる可能性があります。したがって、定期的な歯磨きを行わない場合、フラップ手術は避けた方が良い場合もあります。

当クリニックでは、患者さん一人ひとりの口腔環境に応じた個別のサポートを提供し、適切な歯磨き方法を指導しています。患者さんの日常のケアの習慣を理解し、改善を目指すことで、磨き残しのない健康な口腔環境を目指します。
フラップ手術は、汚れの除去を主目的としていますが、歯根部を不必要に損傷させず、滑らかに処理する技術が必要です。この高度な治療を安全かつ確実に行うためには、精密な手術用拡大鏡や高品質の器具の使用が不可欠です。当クリニックでは、最高水準の器具と技術を駆使し、患者さんに安心と安全を提供する治療を心がけています。

歯周病への包括的な2つのアプローチ

歯周病との戦いには二つの主要な戦略があります。これらについて、当クリニックのアプローチを詳しくご説明します。

1. 口腔内の歯周病菌へのアプローチ

細菌は、凹凸のある場所やザラザラした表面に容易に付着します。日常の歯磨きを怠ると、このような環境が生まれ、細菌の温床となり得ます。従って、歯を触った時にツルツルと感じられるかどうかが、歯周病予防において極めて重要です。
歯石は硬化した歯垢であり、一度形成されると、家庭での歯磨きでは除去が困難です。クリニックでの定期的な歯石除去は、これらの細菌の蓄積を防ぎます。
加えて、治療後に残る凹凸や歯列の不整が細菌の付着を促進するため、これらを滑らかにし、正しい噛み合わせを確保することも歯周病予防には必要です。これには、ブラッシング指導や歯列矯正が含まれます。
歯周ポケットが深いほど、細菌は歯肉の奥深くに侵入し、歯周病の進行を促します。根本的な治療目標は、これらの歯周ポケットを浅くすることです。治療には、歯肉内に侵入した細菌を除去するスケーリングおよびルートプレーニング(SRP)が主な方法となります。
この手法は、歯肉溝内の細菌や硬化した歯石を除去し、歯周ポケットの深さを減少させることを目指します。しかし、歯肉溝の内部は目に見えないため、治療は熟練を要し、患者さんにとっては一定の不快感が伴う可能性があります。それにもかかわらず、この処置を行わない限り、歯周病の進行を止めることはできません。

2.噛む力へのアプローチ

歯周病が進行し、歯を支える骨が減少すると、日常生活における「咀嚼」の機能に影響が生じることがあります。この問題を解決するため、私たちは患者さんがしっかりと食事を楽しめるような治療法を提案しています。選択肢には、ブリッジ、入れ歯、インプラント、そして自家歯の移植などがありますが、最も重要なことは、治療が他の歯に不必要な負荷をかけないことです。
治療法の選択にあたっては、患者さんの状態や要望、経済的な検討を含め、幅広くご提案させていただきます。特に、自由診療となるオプションは、費用が高くなる可能性がありますが、当クリニックでは、患者さん一人ひとりに合った最適な治療計画を共に考え、ご納得いただける治療方針を決定していきます。
咀嚼機能へのアプローチは、患者さんによってその必要性が異なるため、どのような処置が適切か、またその必要があるかどうかについても、詳細にわたりご説明いたします。ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

広尾麻布歯科の歯周病治療の強み

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個々の患者さんに応じたカスタマイズされた治療計画を提供しています。患者さんの具体的な悩みやニーズに沿った治療オプションを提案し、信頼できる相談相手となることをお約束します。特に、中等度から重度の歯周病に対しては、次の7つの重点領域を基に治療を推進しています。

1. 歯科衛生士による個別管理

歯周病は慢性的な管理が必要な状態であり、一度発症すると継続的なケアが求められます。歯科衛生士によるプロフェッショナルな管理は、歯周病の進行を防ぎ、健康な歯茎の維持に不可欠です。専門的な処置による歯石除去や炎症のコントロールを行います。

2. 先進的機器を用いた治療

精密な診断と治療には、最新の機器と技術が必要です。当クリニックでは、歯周病の診断と治療に最先端の機器を活用し、歯茎や歯周ポケットの詳細な検査を行い、適切な治療法を実施します。

3. 歯周病専門医による監修

日本歯周病学会認定の指導医・専門医による監修のもと、質の高い歯周病治療を提供します。専門医の深い知識と経験に基づいた治療は、患者さんに安心をお届けします。

4. 生活の質の向上を目指した治療

治療の最終目標は、患者さんが日常生活を問題なく楽しめることです。治療後の噛み合わせの検査を行い、顎関節への影響を最小限に抑えるように努めています。さらに、顎関節の治療には特殊なマウスピース「m-HBP」を使用し、治療後も患者さんが会話や食事を存分に楽しめるように配慮しています。

5.インプラントという選択肢

高度な治療技術により、歯周組織の再生や歯周形成手術を行い、できる限り患者さんの自然な歯を維持します。しかし、どうしても抜歯が避けられない場合には、インプラント治療の選択肢もご提案しています。歯周病とインプラントは密接に関係しており、当院ではその専門知識をもって最適な治療を行います。

6. こだわりの補綴治療

精密な補綴治療にも力を入れており、仮歯作成から本歯の補綴まで、精度の高い印象採得と厳密な補綴設計に基づく治療を行います。これにより、歯の長期的な健康維持を目指し、再発リスクを最小限に抑えます。

7.メインテナンス・プログラム

患者さんの口腔健康を長期にわたり維持するために、定期的なメインテナンスプログラムを重要視しています。セルフケアの磨き残しや、虫歯・歯周病の早期発見につながる定期検診を通じて、継続的な口腔ケアをサポートしています。

インプラント周囲炎の解説

この状態は、インプラント設置部位に起こる炎症を指し、根底には細菌感染があります。インプラント表面に蓄積した歯垢がこの問題の主な原因です。
インプラントが配置される箇所は、周りが骨で囲まれ、歯肉とも隣り合っており、このエリアが清潔でなければ、そこで細菌が増え、炎症が拡がります。細菌はサイトカインという毒素を排出し、徐々に周囲の組織を破壊し、最終的にインプラントの喪失を引き起こします。

進行過程には、以下のステージがあります。

【正常】

インプラントと人工歯の間、及び周囲の歯肉や骨が清潔に保たれていれば、インプラントは正常に機能していると考えられます。

【インプラント周囲粘膜炎】

この初期段階では、粘膜だけに炎症が見られます。主に、人工歯とインプラントの接続部に歯垢が蓄積することが原因で、歯肉に炎症が発生します。この状態を放置すると、インプラント周囲炎へと悪化する可能性があります。

【インプラント周囲炎】

この段階では、歯肉だけでなく、歯槽骨にも感染が広がっています。歯周組織の損傷が進むと、インプラントの安定性が損なわれ、最悪の場合、脱離に至ります。進行度に応じて、軽度から高度まで区分され、それぞれに適した治療が必要になります。

症状

一般的に、歯周病と同様に、インプラント周囲炎も早期には自覚症状が少ないことが特徴です。不快感や痛みが現れた場合、既に病状は進行している可能性が高いため、迅速に歯科専門医の診察を受けることが推奨されます。

1.歯肉の赤みと腫れ

インプラント周辺の炎症により、歯肉が赤くなり、腫れ上がることがあり、歯を磨く際に出血することもあります。

2.歯周ポケットの発生

炎症によって歯肉と歯槽骨の間の隙間が深くなり、このスペースには食べ物の残りかすや細菌が溜まり、炎症をさらに悪化させます。定期的な歯磨きとプロフェッショナルなクリーニングによる健診が重要です。

3.膿の排出

感染が深部に広がると、膿が排出されることがあり、これは排膿と呼ばれ、痛みを伴うこともあります。

4.歯肉の後退

歯肉や歯槽骨、歯周組織の破壊が進行すると、歯肉が後退します。これにより、人工歯が目立ち始め、歯が長く見えることがあります。通常、歯肉の中に隠れているはずの部分や、インプラント体自体が肉眼で見えるようになることもあります。

5.歯周病との比較

インプラント周囲炎は、歯周病と同様に、細菌感染が原因で発生しますが、共通するのは歯垢の蓄積です。

自覚症状が現れにくいため、定期的な歯科検診が極めて重要です。日常の口腔ケアに加え、定期検診を通じての予防、早期発見、及び治療が推奨されます。

歯のメインテナンスの重要性

歯周病の対策では、予防が最優先事項です。再発しやすいこの疾患に対しては、治療完了後も周期的な検診を重ね、歯周病や虫歯のリスクを低減させるために、口内環境の維持を心がけましょう。

一般的に、歯周病治療の後は、3ヶ月から半年ごとのチェックアップを推奨します。歯と歯茎の境界部分の清掃が完全でなければ、歯垢の蓄積が再び起こり、歯周病の再発の可能性があります。定期的な診察は、除去作業だけでなく、正確なブラッシング法の指導も行います。これにより、自宅でのケアと専門的なケアの双方で予防が実現します。

日常のブラッシングによっても取り除ける歯垢はありますが、特に歯周ポケットの内部や歯が重なる部位の歯垢は、自分での清掃が困難です。これらの部分は、定期診察時の「PMTC」というプロフェッショナルなクリーニングで清掃されます。

歯周病は治療可能な病気でありながらも、再発しやすい性質を持ちます。従って、日々のケアや定期的なメインテナンス(クリーニング)を怠ると、再び歯周病菌が活性化するリスクがあります。既に歯周病を経験した部位は、他の部位よりも脆弱になりがちで、再発や悪化が急速に進むことがありますので、十分に注意が必要です。

また、歯周病治療にはその限界があり、「完全治癒」が難しい場合もあります。定期的なメインテナンスを通じて、歯周病の再発を防ぎ、病状の進行を抑制することが可能ですので、定期診察の継続が重要です。

歯周病に関する一般的なQ &A

歯周病は自己治癒しない疾患で、症状が見られない間に進行することが一般的です。「症状がないから大丈夫」と見過ごすことは避けるべきです。放置すると歯の寿命を縮め、他の歯や組織にも悪影響を及ぼします。さらに、歯周病は全身の健康にも影響を与えることが明らかになっています。診断後は、迅速に適切な治療を受けることが重要です。

初期段階の歯周疾患は基本治療のみで治癒可能です。中等度以上の場合でも、適切な治療を行えば完治の見込みがありますが、進行した歯周病の治療は難しい場合もあり、場合によっては抜歯が推奨されることもあります。目標は、可能な限り自身の歯を保つことですが、状況によっては抜歯が最善の選択となることもあります。早期発見、早期治療が重要です。

歯垢は、不十分な歯磨きによって除去されなかった食べかすや細菌の集合体で、白~黄白色の粘り気のある物質です。細菌の増殖場所となり、歯周病の直接的な原因になります。歯垢は歯の微細な凹凸に張り付くため、うがいだけでは取り除けず、日々の丁寧なブラッシングが必要です。

理想的には、毎食後に歯を磨くことが推奨されます。食後に歯磨きをすることで、細菌の活動を抑制し、歯垢の硬化を防ぎます。特に就寝前の丁寧な歯磨きが重要で、歯間ブラシやデンタルフロスを活用することが望ましいです。

歯周病の治療期間は個々の状況により異なります。軽度ならば短期間で終了する可能性がありますが、中等度以上の場合は継続的な診察が必要です。治療後も定期的なメインテナンスが重要になります。

歯が抜けた状態を放置すると、隣接する歯が移動したり、反対側の歯が伸びたりして、歯列に問題が生じる可能性があります。歯の配置に生じた隙間や不均一さは、口内の衛生状態を悪化させ、歯周病や虫歯の発生リスクを高めます。
抜け落ちた歯の背後にある理由が歯周病である場合、他の歯にも同様の問題が発生している可能性があるため、速やかに歯科医院での診察を受けることが推奨されます。

まとめ

歯は一生に一度の貴重な資産です。抜け落ちると自然に再生することはありません。そのため、虫歯や歯周病など、歯を損なう疾患への対策は非常に重要です。口腔内の歯垢(プラーク)がこれら疾患の主な原因であるため、歯垢の管理が予防、早期発見、そして歯の健康寿命を延ばす鍵となります。
具体策として、日々の口腔衛生指導(ブラッシングなど)、全身状態の管理、生活習慣の見直し、歯周の基礎治療が中心になります。これに加えて、専門家による定期的な歯石除去や歯根表面の滑らかにする処置が、口腔内を清潔に保つために推奨されます。
個々の口腔状況に応じた、1ヶ月から半年ごとの定期メインテナンス(約1時間)を実施し、これを繰り返すことで、歯の健康を長期間保つことが可能です。虫歯予防ではフッ素塗布も効果的です。
歯周病の研究発展により、中等度以上の症例でも歯周組織の再生や外科的処置を通じて、疾患の進行を抑え、改善することが可能になっています。ただし、進行した歯周病の場合、抜歯が避けられないケースも存在します。
歯を失った後の選択肢として注目されるインプラントは、機能性と審美性に優れ、日常生活の質を向上させます。しかし、インプラント周囲炎のリスクがあり、歯周疾患との関連性が指摘されています。
歯科医療の進歩により、適切な予防と治療を行うことで、多くの人が自分の歯で一生を過ごすことが可能になりました。日々のケアと定期的な検診の重要性を再認識し、自分の歯で快適な食生活を送るための努力を続けましょう。

また、歯周病治療にはその限界があり、「完全治癒」が難しい場合もあります。定期的なメインテナンスを通じて、歯周病の再発を防ぎ、病状の進行を抑制することが可能ですので、定期診察の継続が重要です。

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